桐原 慎二

 教授  きりはら  しんじ

【メッセージ】

青森県は日本海,津軽海峡,太平洋,陸奥湾に面し,各沿岸で海域の特性を生かした漁業が行われていますが,漁業者の高齢化,国際的な漁業規制の強化,温暖化等に伴う海況変化や燃油高に代表される資材高騰などのため,生産が低下しています。漁業の衰退は漁村の衰退につながることから,沿岸地域の振興のために漁業の活性化を考える必要があります。

一方,青森県の海は水産資源と同様に風力や潮流などのエネルギー資源にも恵まれています。そこで,再生可能エネルギーを活用した漁業の生産増大や経費節減技術の開発,海上風力発電と漁業の調和など,海・漁業・漁村をキーワードとした地域貢献に寄与する研究に取り組みたいと考えています。

【連絡先】Mail: kirihara @hirosaki-u.ac.jp  Tel: 017-762-7712

【専門】応用藻類,水産増養殖

【研究紹介】

(1)これまでの研究の特徴

主に青森県の水産試験研究機関において,地域の漁業者,漁協,市町村等と協働で,海藻やアワビ,ウニ,ナマコなど定着性水産生物の生態研究や増養殖技術の開発と成果の普及に取り組んできました。

①マコンブの生態調査を通じて,豊凶予測,磯焼け回復や雑海藻除去技術を開発しました。

②大間崎でコンブ目植物群落の変遷と海水温上昇の関係を明らかにしました。

③マコンブの形態,成熟,生長特性を研究し,種苗の沖出し適期,催熟技術,早期成熟系群の特性を明らかにし,高水温が発生,生長,再生に及ぼす影響を明らかにしました。

④日本海沿岸でホンダワラ類,陸奥湾沿岸でアマモ類の分布,季節的消長,水産生物の涵養効果,増殖手法を研究し,藻場造成手法を開発しました。

⑤紅藻エゴノリ,アカバギンナンソウ,褐藻アカモク,スジメ,ガゴメ,チガイソ,ツルアラメなど地域資源となる海藻種の人工採苗・養殖技術を開発しました。

⑥組織培養によるホンダワラ類採苗技術を開発しました。

⑦陸奥湾産マナマコの成長式や最小型を明らかにし,「こんにゃく」を用いたユニークな資源推定手法を開発しました。

⑧ホタテガイ貝殻敷設によるマナマコ増殖場造成技術を開発・普及しました。

⑨エゾアワビの放流技術開発に取り組み,本種の害敵であるヒトデ類をニチリンヒトデ2より排除する方法などを研究しました。

 

(2)これからの取り組み

①漁業生産増大のための再生可能エネルギー活用

漁港などの閉鎖性海域において,小風力風車を活用したナマコの種苗生産や魚類の養殖環境の監視・改善する研究など取り組みます。

②漁業イニシアティブ型の海洋エネルギー利用

漁業生産や地域振興に向上に役立つよう,漁業が主導する洋上風力発電エネルギー利用モデルを検討します。

 

【略歴】

1976年3月      青森県立八戸高等学校卒業

1981年3月      北海道大学水産部水産食品学科卒業

1983年3月      北海道大学大学院水産学研究科水産食品学専攻修士課程修了

1983年4月      青森県水産部漁政課技師

1985年4月      青森県水産増殖センター海草部技師

2004年4月     青森県水産総合研究センター増養殖研究所磯根資源部長

2006年3月    博士 (水産学)「青森県沿岸のマコンブの生態と増養殖に関する研究」

2009年4月      (地独)青森県産業技術センター本部企画経営室研究管理員

2010年4月      (国)岩手大学大学院連合農学研究科非常勤講師、岩手大学客員准教授

2012年4月      青森県農林水産部水産局漁港漁場整備課企画・振興グループマネージャー

2014年4月      (地独)青森県産業技術センター水産総合研究所総括研究管理員

(公)青森県立保健大学連携大学院健康科学研究科客員教授

2015年4月     (地独)青森県産業技術センター下北ブランド研究所長

2016年4月      国立大学法人弘前大学北日本新エネルギー研究所教授

 

【著書(共著)】

1)藻場造成の生物学と造成(能登谷正浩編),(2003) 成山堂書店,22-65.ISBN: 987-4-425-88411-7

2)磯焼けを起こすウニ―生態・利用から藻場回復まで― (2008) 成山堂書店,35-38, 122-127. ISBN: 987-4-425-88041-6

3)藻場を見守り育てる知恵と技術, (2010) 成山堂書店,213-218. ISBN: 987-4-425-88501-5

 

【学会賞】

1)Marinalg International Award受賞

受賞論文 Kirihara S., T. Nakamura, N. Kon, D. Fujita and M. Notoya (2006) Recent Fluctuations in distribution and biomass of cold and warm temperature species of Laminarialean at Cape Ohma, northernmost of Honshu, Japan. Journal of Applied Phycology, 18, 521-527.

 

【原著論文等】

1)Kirihara S., M. Notoya and Y. Aruga (1989) Cultivation of Laminaria japonica at Hachinone, Aomori prefecture, Japan. The Korean Journal of Phycology, 4(2)199-206.

2)能登谷正浩・桐原慎二 (1989)青森県沿岸における天然および移植マコンブの形態について. 月刊海洋,21(6), 355-361.

3)桐原慎二・能登谷正浩・有賀祐勝 (1990) 紅藻エゴノリの養殖. 藻類(日本藻類学会誌),38(4), 377-382.

4)桐原慎二・能登谷正浩・有賀祐勝 (1993) 青森県沿岸における養殖マコンブ種苗の沖出し時期. 日本水産学会誌,59(3),425-430.

5)桐原慎二・中村良一・中原元和・能登谷正浩・有賀祐勝 (1993) 褐藻ツルアラメ藻体に投与した85Sr, 137Cs, 57Co, 65Znの匍匐枝を通した葉状部間の転流. 日本水産学会誌,59(4), 589-592.

6)桐原慎二・藤川義一・能登谷正浩 (1993)青森県沿岸の養殖マコンブの早期成熟群. 月刊海洋,27(1),26-33.

7)桐原慎二 (1995)コンブ目植物の生長と養殖技術-青森県大間沿岸のガゴメ. 日本水産学会誌,61(1), 103-104.

8)桐原慎二 (1995)青森県尻屋沿岸におけるマコンブ,エゾアワビの資源変動,日本水産学会東北支部会報,48, 14-17.

9)Kirihara S., Y. Fujikawa and M. Notoya (1997) Axenic tissue culture of Sargassum confusum C. Agardh (phaeophyta) as a source of seeds for artificial marine forest. Journal of Marine Biotechnology, 5, 142-146. IF:2.739

10)UKAI K., S. Kirihara, Y. Fujikawa, M. Notoya and M. Namikoshi (2002) Identification of two nucleosides, Inosine and Guanosine in the Bioactive fraction from Solaster dawsonii, which induced escape response in Asterina pectinifera. Journal of Tokyo University of Fisheries, 88, 7-13.

11)桐原慎二・仲村俊毅・能登谷正浩 (2003)下北半島尻屋崎におけるマコンブの生育密度に及ぼす水温の影響. 水産増殖(日本水産増殖学会誌),51(3), 273-280.

12)桐原慎二・藤川義一・能登谷正浩 (2003)褐藻ガゴメの配偶体の成熟及び幼胞子体の生長に及ぼす温度,光量の影響. 水産増殖(日本水産増殖学会誌),51(3),281−286.

13)桐原慎二・藤川義一・能登谷正浩 (2003)水槽中で培養したマコンブ胞子体の子嚢斑形成と生長におよぼす水温及び光周期の影響. 水産増殖(日本水産増殖学会誌),51(4),385−390.

14)桐原慎二・能登谷正浩 (2004)下北半島沿岸のマコンブ生育量の変動と藻場の再生. 月刊海洋,36(11),803-809.

15)桐原慎二・藤川義一・能登谷正浩 (200)5青森県沿岸におけるヨレモクの分布と生長特性. 月刊海洋,37(7),477-482.

16)桐原慎二・藤田大介・能登谷正浩 (2005)陸奥湾におけるウミヒルモの生育記録.藻類(日本藻類学会誌),53 , 237-239.

17)桐原慎二・藤川義一・蛯名 浩・能登谷正浩 (2006)青森県大間崎沿岸におけるツルアラメ卓越群落除去後に観察された海藻群落の遷移. 水産増殖(日本水産増殖学会誌),54(1),1−13.

18)Kirihara S., T. Nakamura, N. Kon, D. Fujita and M. Notoya (2006) Recent Fluctuations in distribution and biomass of cold and warm temperature species of Laminarialean at Cape Ohma, northernmost of Honshu, Japan. Journal of Applied Phycology, 18, 521-527. IF:2.326

19)伊藤 靖・吉野真史・今 男人・桐原慎二・藤川義一・新山伸二 (2007)ホタテ貝殻を活用したマナマコ漁場造成について.海岸工学論文集,54, 1026-1010.

20)桐原慎二・藤川義一・今 男人・能登谷正浩 (2009)青森県再沿岸の磯焼け海域からのキタムラサキウニ除去によるマコンブ群落の形成,Algal Resources(日本応用藻類学会誌),1, 45-60.

21)伊藤 靖・中野喜央・三上信雄・横山 純・桐原慎二・能登谷正浩 (2009)藻場による炭素固定量の試算.水産工学(日本水産工学会誌),46(2), 135-146.

22)Kirihara S., Y. Fujiakwa. N. Kon, T. Sato, and M. Notoya (2010) Seasonal changes of biomass and occurrence of wild sporophytes of Saccharina japonica (Phaeophyceae) on the coast of Cape Ohma, northernmost of Honshu, Japan. Algal Resources, 3, 111-122.

23)桐原慎二・藤川義一 (2011)青森県尻屋の漁業者ダイバーによる磯焼け場におけるコンブ群落回復の試み. 水産工学(日本水産工学会誌)48(1), 65-72.

24)桐原慎二 (2011)陸奥湾のアマモ類藻場と持続的漁業生産,用水と廃水,53(1),76-82.

25)Kirihara S., N. Kon, D. Fujita and M. Notoya (2013) Distributions of Zosteraceae species along the coasts of Aomori Prefecture, locating at the northernmost of Honshu, Japan. Algal Resources, 6, 1-13.

26)志田 崇・藤川義一・石川義朗・今 男人・桐原慎二 (2016)アマモ・ナマコ増殖礁におけるスゲアマモの保護育成及びマナマコの資源培養効果. 水産工学(日本水産工学会誌), 52(3), 161-170.

27)Tanaka Y., T. Miyajima, T Igarashi, S. Kirihara, K. Sasaki, S. Watanabe and M. Nakaoka  (Submitted to “Peer J”) Distribution and growth of an endemic seagrass species, Zostera caespitosa, and comparison with a non-endemic species, Zostera marina

リーフレット

アーカイブ

© 2009-2017 弘前大学 北日本新エネルギー研究所 All Rights Reserved -- Copyright notice by Blog Copyright